ルカのMVP独走、ピストンズの台頭、ニックスの停滞——シーズン序盤の注目トレンドを読む
The Ringer NBA Show(2026年11月3日配信)でロブ・マホニーとカイル・マンがシーズン序盤の注目トレンドを語った。
The Ringer NBA Show(2026年11月4日配信)でハワード・ベックが語った
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The Ringer NBA Show(2026年11月4日配信)でロガン・マードック、ハワード・ベック、ラジャ・ベルがシーズン序盤の注目トピックを語った。
レブロン・ジェームズがシクサーズで見せる「楽しむ姿勢」がチームを引き上げている話題から始まり、歴史的なルーキークラスの活躍、そしてケガ人続出で苦しむOKCサンダーの今後まで、約70分にわたって議論が展開された。
ベックはシクサーズでのレブロン・ジェームズに注目した。41歳8か月を迎えてなおプレーにも態度にもマンネリ感がなく、試合中にワインのカップを手に取ってひと口飲むパフォーマンスまで披露したと紹介した。ベックはこの場面から2017年4月のエピソードを思い出したという。当時レブロンは試合中にサイドラインのビール売りのカップをつかんで飲むフリをしてからフリースローを打ちに戻り、試合にも勝った。ベックはブリーチャー・レポートにこの話を書いたことがあり、レブロンの喜びがチームメートに与える影響をテーマにした記事だったと振り返った。
「プロ24年目にして純粋に楽しんでプレーしている、それって本当に」
— ハワード・ベック [03:05]
ベルはこの話をレブロン個人だけでなくチーム全体の力学として掘り下げた。2014-15シーズンにキャバリアーズのフロントオフィスにいた経験を語り、当時選手たちがヘッドコーチのデイビッド・ブラットの方針を受け入れようとしなかった問題に直面していたという。ベルはレブロンに直接会いに行き、グリフとフロントオフィスを信頼してほしい、選手たちにバイインさせてブラットに公平な評価を受ける機会を与えてほしいと頼んだ。すると翌日、一夜にして全員がバイインしてプレーし始めたと証言した。
「彼がバイインを引き出して、雰囲気を作って、ワインディナーをやったりして……」
— ラジャ・ベル [09:10]
ベルはこの経験を踏まえ、レブロンのようなカリスマが「重力のようなバイブス」を持っているとき、チームの才能とポテンシャルを別次元に引き上げると結論づけた。才能だけでなく、ゲームプラン、実行力、細部へのこだわりのすべてに良いエネルギーが伴うことで、チームの天井が上がるという見方を示した。
マードックはシクサーズの強さを数字で裏づけた。ペイサーズ、ピストンズ、ホーネッツ、ブルズに印象的な勝ち方をしているだけでなく、試合残り5分のオフェンシブレーティングが131.1、ディフェンシブレーティングが97.4というクラッチ力の高さを紹介した。マードックはウォリアーズ取材時代に学んだ教訓として、クラッチなチームとは「クラッチショットを決めるスターに引っ張られるチーム」ではなく「残り5分で全員が自分の役割を理解しているチームだ」と語った。
「試合残り5分という場面で、自分が何をすべきかを理解している選手で埋め尽くされたチームなんです」
— ロガン・マードック [12:59]
マードックはニック・ナースHCが「選手にバスケットボールをやらせる」スタンスを取っていることを評価した。マキシーにピック&ロールが必要な場面ではそれを用意し、それ以外は選手たちに任せるやり方で、IQの高い選手が4〜5人揃っているから機能するという分析を示した。怪我なく乗り切れれば優勝候補の最有力だと断言した。
ベルもこれに同意しつつ、シーズン開幕のニックス戦後にジェイレン・ブラウンのアイソレーションの余地について懸念を示したことを振り返った。しかし実際に見て驚いたのは、全員が勝つことだけに集中している点だったという。NBAのロッカールームには個人の思惑が飛び交うことが多く、ベル自身もバスケで勝つことが最優先ではない選手のいるチームにいた経験があるからこそ、シクサーズの姿勢に感心していると語った。
「契約最終年で、このチームはどうせ優勝争いには絡めそうにないんだから、フリーエージェントで大きな契約を取るためにとにかく点を稼いでおかないと、とか、そういう考えが先に来ることもある」
— ラジャ・ベル [17:01]
ベルが週末で一番刺さったのはルーキークラスの活躍だった。ダリウス・アカフJr.がサクラメントで圧倒的な数字を出し、キャム・ブーザーがトリプルダブルを記録し、ヤクセルがウォリアーズで即戦力として機能し、ケイレブ・ウィルソンがシカゴで好成績を残していると列挙した。それぞれの環境が個性を引き出していると分析し、アカフは「真っ白なキャンバスで撃ちたいだけ撃っていい」状況、ブーザーは「勝ちまくってるチームへのプラグ&プレー」、ヤクセルは「20代でバスケ経験が豊富な即戦力」と整理した。
ベックはルーキークラスのベストストーリーとしてヤクセルを断トツで挙げた。PERでルーキー全体のトップ(21)に立ち、ドゥバンチャが18、ブーザーが17と続く。PER15以上のルーキーが7人いるという事実を強調し、ただ出場しているだけでなくリーグ平均以上のプレーで勝利に貢献していると語った。
「今10点以上平均を出してるルーキーが9人いるんだよ」
— ハワード・ベック [26:08]
前年も歴史的なルーキークラスだったのに2年連続でこのレベルになるのは異例だとベックは付け加えた。2003年のレブロン、ウェイド、ボッシュの年のように突出した年があっても、翌年は落ちるのが普通だからだ。ダリン・ピーターソンは出遅れているものの、上位3〜4人だけでなく層の厚さが際立つクラスだと評価した。

マードックはアカフJr.のプレーにワクワクしつつも、サクラメントの組織に強い懸念を示した。アカフはリーグのフィールドゴール試投数で1試合平均23.6本とリーグ1位だが、マードックが心配するのはその数字ではなく、歴史的に多くのルーキーがキングスにドラフトされただけでキャリアを潰してきた組織の問題だった。まともなGMとコーチをやっと手に入れたのにすぐに取り上げたと指摘し、現在のフロントオフィスやコーチングスタッフへの不信を率直に語った。
「あのずっと変わらない組織の問題と、歴史的に見てどれだけ多くのルーキーがあそこでドラフトされたってだけで自分のキャリアを潰してきたか」
— ロガン・マードック [28:08]
ベルもこの懸念に同調した。短期的にはアカフの現状は問題ないが、あまりにも長い間ボリュームシューターとして放置されると「NBAってこういうものだ」という認識が固まってしまうと警告した。勝利に貢献する形でのプレーから長く離されると、キャム・トーマスのような領域に近づく危険があるという。一方で、ドゥバンチャ、ブーザー、ヤクセルの3人は勝利が期待されるチームで育成が進む健全な環境にいると評価した。
マードックはOKCの状況を深掘りした。チェット・ホルグレンが膝蓋腱の部分断裂で8〜10週間離脱、ケイソン・ウォレスも長期離脱中、ジェイレン・ウィリアムズもシーズン絶望。2年前にはエプロン時代を制すると思われたチームが、逆にその犠牲者になっているように見えると問題提起した。
ベックはこの話をCBAの構造から説明した。セカンドエプロン回避のためにルー・ドート、アイザイア・ジョー、アーロン・ウィギンズを純粋にキャップ上の理由でトレードに出した経緯を振り返り、現行CBA以外のシステムなら3人を手放す必要はなかったと指摘した。サム・プレスティもシーズン前の長い「State of the Union」スピーチで、セカンドエプロン回避のために帳簿を整えたとはっきり語っていたという。
「セカンドエプロンが機能している現在のNBAシステムでなければ、サンダーは大丈夫だったはずです」
— ハワード・ベック [34:31]
ベックは余剰のドラフト資産を使ってトレイ・マーフィー3世のような選手を獲りにいくべきだと主張した。チェットが戻るまでの数週間は様子を見て、12月末からトレードデッドラインの間に動くのではないかと予測した。
マードックはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの成績を数字で示した。ジェイレン・ウィリアムズ不在時に46勝6敗、ウィリアムズとホルグレン両方不在でも12勝3敗。単独の攻撃的な主軸としてチームをある一定のレベルまで引き上げられる稀有な存在だと評価した。ただし、11月からシーズン終盤まで5か月間この負担を背負い続ける持続可能性に懸念を示した。
ベルは前夜の40得点を比較した。シェイ・ギルジャス・アレクサンダーが14本成功/35本試投で40得点、ルカ・ドンチッチが14本成功/24本試投で40得点。同じ40得点でもプレーした本人の感覚はまったく違うと指摘した。
「その間ずっとあんなプレーをしなきゃいけないとしたら、チェットが戻ってきたときや残りのシーズンに向けて健康を維持できるかどうかに取り返しのつかないダメージを与えかねない」
— ラジャ・ベル [41:42]
一方でベルはシェイのペースとプレースタイルに注目した。全速力で動き回るタイプではなく、コントロールされた動きと巧みなバケットで得点するため、誰かがこの負担を維持できるとしたらシェイかもしれないとも述べた。ベックも25本以上シュートを打った59試合で43勝16敗、30本以上では6勝0敗というデータを紹介し、大量のシュートを打ってもチームは勝つ傾向にあると補足した。ただし59試合は7年間に分散したものであり、毎晩続けるのとは違うという点で3人の意見は一致した。
ベックはウェスタン・カンファレンスでOKCの空白を埋めるチームとしてロケッツ(7勝1敗でウェスト首位)とレイカーズを挙げた。グリズリーズの好調も評価しつつ、スケジュールに恵まれている面もあるとした。デンバー・ナゲッツは本来そのポジションにいるはずだったが、現時点では「少し乱れて見える」と指摘した。
マードックはロケッツのマーカス・スマートが試合中にチャージを取った後に前方宙返りし、連続3ポイントを決めてから全国放送で両手の中指を立てたプレーを興奮気味に紹介した。さらにフレッド・バンブリートについて、自身の懐疑論を撤回した。昨シーズン52勝しながらも裏側での問題があったロケッツについて懐疑的だったが、バンブリートがチームの全体をはめ込む存在になっていると認めた。
「フレッド・バンブリートはこのチームにとって本当に素晴らしい存在で、見ればわかるよ——ちょうどその一人がいるんだよ、全部をうまくはまらせてくれる選手が」
— ロガン・マードック [51:14]
ベックはシーズンの10分の1も終わっていない段階でMVPを「確定」扱いする風潮に異議を唱えた。直近24時間で「ルカはもう決まりだ」という声が多く出ていることに対し、せめて20試合か1月1日まで待つべきだと訴えた。マードックはタイ・ジェロームのペリカンズ戦延長終了間際のショットを絶賛し、冗談交じりに「ステルスMVP候補」と持ち上げたが、ベックはこのジョークをきっかけにしてMVP論争の過熱ぶりに釘を刺した。ベックの主張は明快で、ルカがMVPを獲る可能性はもちろんあるが、11月3日の時点で「MVPレースをリードしている」と語ること自体がおかしいというものだった。
「まだシーズンの10分の1にも来てないんですよ?」
— ハワード・ベック [54:25]
マードックもこの指摘に同意しつつ、ジェロームについては「3週間だけMVP候補のボーダーラインにいた選手の話をひ孫にする」と冗談で返した。ベックが挙げた「せめて20試合」「少なくとも1月1日」という2つの基準は、序盤の数字だけで結論を急ぐメディアとファンへの警鐘として、3人の間で共有された。シーズン序盤の熱狂と冷静な分析のバランスが問われる時期に、それぞれの視点から今シーズンの輪郭を描き出した回だった。
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