シクサーズの29点差逆転劇、SGAが自ら記録を止めた夜、ブラウンがテイタムに「キャップ」と言い放った理由
Gil's Arena(2026年10月23日配信)でギルバート・アリーナスがNBA開幕週の注目トピックを語った。
Gil's Arena(2026年10月30日配信)でギルバート・アリーナスが語った
番組ギルズ・アリーナ

Gil's Arena(2026年10月30日配信)でギルバート・アリーナスがNBA開幕序盤の注目トピックを語った。
ジャ・モラントの古巣対決、グリズリーズのルーキー カム・ブーザーの快挙、リーグ全体の怪我問題、ヨキッチの通算200回目のトリプルダブル、そしてウルブズのロッカールーム不和まで、2時間半を超えるエピソードで幅広く議論が交わされた。
ジャ・モラントがトレード後初めてグリズリーズと対戦した。試合前のウォームアップでモラントはBGM選曲を任され、NBA YoungBoyの「Cross Me」を流した。裏切りの痛みと信頼を踏みにじった相手を切り捨てる内容の曲で、ジョサイア・ジョンソンは「ちょっと含みがある」と指摘した。モラント自身は試合前の取材で「ただの試合」「恨みを引きずるタイプじゃない」と語り、メンフィスでの7シーズンの末にトレードにつながったコート外の判断について自らの責任も認めていた。
しかし試合が始まると主役はグリズリーズだった。前半はタイで折り返したものの、後半にメンフィスが66対45と大差をつけ、最終的に21点差で勝利した。モラントは第1クォーターに8得点と積極的だったが、第4クォーターに左ハムストリングを負傷して退場し、14得点3アシストで終えた。
「ジャはウォームアップのBGMを選ぶ役を任されて、NBA Young Boyの『Cross Me』を選んだ。裏切りの痛みと、信頼を踏みにじった人間を永遠に切り捨てることをテーマにした曲だ」
— ジョサイア・ジョンソン [06:26]
ダニー・グリーンはモラントの現在のプレースタイルについて、かつての爆発的なダンクや積極性が消えていると嘆いた。アリーナスもメディアからの批判で精神的にスイッチが切れている可能性を指摘し、「正しいプレー」をしようとするあまり本来の攻撃性を失っているのではないかという見解を示した。
「コートに出て、全員が自分を攻撃してる感じがするとさ、誰も本当の自分でいさせてくれないと、スイッチを切るんだよ。俺にジャーでいさせてくれないなら……」
— ギルバート・アリーナス [48:23]
全体3位指名のルーキー、カム・ブーザーが18得点・12リバウンド・12アシストでキャリア初のトリプルダブルを記録した。ジョシュ・ギディに次ぐ史上2番目の若さでの達成であり、ビッグマンとしては史上最年少となった。開幕5試合で平均15得点・11リバウンド・6アシストという数字を残している。
ダニー・グリーンは「12アシストは想像してなかった」と驚きを見せ、ブーザーの静かで落ち着いたプレースタイルにティム・ダンカンとの類似を感じると語った。
「少しティム・ダンカンっぽい雰囲気があるよ。静かでクールだよな。メンフィスが何らかの形で話題を作り続けるなら、ブーザーを評価しないといけない」
— ダニー・グリーン [17:24]
アリーナスはドラフト前から「プロとして最も完成された選手」と見ていたと述べた。爆発的な身体能力がないため天井が低いと評価されていたが、自分の能力を理解して使いこなすIQの高さが光っていると評価した。新人王争いではヤクセル・リンデンブルクと並んでPolymarketのオッズが32%で1位タイに浮上しており、ブーザーがメンフィスをプレーオフ圏に導ければ受賞の可能性が高まるとアリーナスは主張した。
「もし彼がこのチームを勝てるチームにできたら、完全制覇とは言わないけど、シーズンの大半で500以上の成績を維持してプレーインに残れたら、もう与えるしかないよ」
— ギルバート・アリーナス [51:45]
一方でグリーンはヤクセルを推し、ルーキーながら金曜夜の試合で「ヤクセル対ルカ」がヘッドラインになるほどのインパクトを生んでいる点を評価した。
グリズリーズは5勝0敗でロケッツと並ぶNBA唯一の無敗チームとなった。アリーナスはタイ・ジェロームのスコアリング、ビーフ・シチューことアイザイア・スチュワートのベンチからの18得点(7投10成功)、セドリック・コワードの17得点と、バランスの取れた得点構成を評価した。
ベンチにはジェレミー・グラント、ジジ・ジャクソン、スコッティ・ピッペンJr.ら経験のある選手が揃っており、アリーナスは「バスケットボールをわかってる選手がベンチから出てくる」と指摘した。
「実際にチームの選手を見てみるとさ、ベンチから出てくるのがジェレミー・グラントがいるじゃん。ジジ・ジャクソンもまだいるし、アイザイア・スチュワートもポストにいるよね」
— ギルバート・アリーナス [13:06]
モラントのトレード対価はジェレミー・グラントとクリス・マレーのみでドラフト指名権は含まれなかった。ジョンソンはその2人が古巣戦で30分出場して合計2得点にとどまったことを紹介し、「もしモラントがまだロスターにいて、さらにブーザーのようなビッグマンが加わっていたら」という仮定に話が広がった。アリーナスは「お互いもう前に進んでるからね」と現実を受け入れつつ、興味深い仮定だと認めた。
モラントのグレード2左ハムストリング肉離れ(4〜6週間離脱)をきっかけに、リーグ全体の怪我問題に議論が移った。アリーナスはトレーニングキャンプの短さと選手のコンディショニング不足を原因に挙げた。シューズのせいにする声に対し、「昔の連中はコンバースやサンダルを履いてた」と反論し、違いは自分の競技動作に合ったトレーニングを積んでいたかどうかだと主張した。
「ハムストリングの問題はスピードの問題だよ。あのダッシュするときにやられる。陸上選手はなんでハムストリングをやらないか聞いてみろ。筋肉をちゃんとトレーニングしてて、スプリントをしてるからだよ」
— ギルバート・アリーナス [35:47]
具体例としてリップ・ハミルトンの名前を挙げた。ハミルトンはトレッドミルの傾斜12・時速12マイルで長時間走り続けるトレーニングを積み、スクリーンをかわして走り続ける自分の競技動作に合った持久力を維持していたという。アリーナスの息子のトレーニングにハミルトンが立ち会い、軽く走り出しただけで若手を置き去りにしたエピソードも紹介された。
ダニー・グリーンは自身のポッドキャスト「Inside the Green Room」でも語ったとして、シーズンの開幕を1週間前倒しにし終了を1週間後ろ倒しにしてバックトゥバックを減らす案を提示した。アリーナスもプレシーズン6試合の実施と、うち最低2試合はフル出場すべきだと提唱した。
「プレシーズンは大事だし、トレーニングキャンプも2週間早めに始める必要があるかもしれない。そうすれば万全の状態でプレシーズンに入れて、プレシーズン6試合をしっかりこなせる」
— ギルバート・アリーナス [38:50]
ジェイレン・ブラウンが「NBAの賞は作り物。外部の評価に自分のアイデンティティを委ねたら幸せにはなれない」と発言したことが取り上げられた。アリーナスはこの発言を真っ向から否定し、「もう持ってるから言えるんだ」と矛盾を突いた。ブラウンは昨シーズン、ファイナルMVP・イースタンカンファレンスファイナルズMVP・オールNBAセカンドチーム・MVP投票6位と複数の功績を手にした直後にシクサーズへトレードされている。
ダニー・グリーンはブラウンの立場に一定の同情を示した。「去年みたいなシーズンを送ったのに、ファーストチームどころか名前も挙がらない」状況への不満は理解できると述べた。ただ、グリーン自身もこの発言が功績を手にした後だからこそ言えるものだという点では同意していた。
「持ってるときにそれを言うけど、でも『スタジオなんてどうでもいい』とか言わないだろ?」
— ダニー・グリーン [67:49]
アリーナスは「5年間ずっと気にしてたじゃないか。なんで怒ってたか言ってたじゃないか」と重ねて指摘し、功績を手にする前と後で態度が変わること自体が矛盾だと主張した。賞を獲る前は全員が欲しがっていたのに、獲ってしまえば「意味がない」と言えてしまう構造を、アリーナスは「億万長者が『金で幸せは買えない』と言うようなもの」にたとえた。
アンソニー・エドワーズの膝手術で数カ月の離脱を強いられるウルブズは、ウォリアーズ戦でステフ・カリーに44得点を許して敗戦した。その試合の第4クォーター、24点差からの追い上げ中のタイムアウトで、ラメロ・ボールとジョナサン・クミンガがルディ・ゴベアに激しく詰め寄る映像が話題になった。ゴベアは直近2試合でフィールドゴール13本中0本と深刻な不振に陥っていた。
「でも僕は何も悪意は感じませんでした。フラストレーションはありましたよ、もちろん。僕もイライラしてたし、彼らもそうだった。でも、あの2人はすごくいい選手で、コミュニケーションもうまくいってます」
— ルディ・ゴベア [91:40]
グリーンはエドワーズ不在の2カ月間にゴベアをトレードして得点力のあるビッグマンを獲得すべきだと提案した。4度の最優秀守備選手賞を受賞しているにもかかわらず、ゴベアの名前を聞いてもそれほどの選手だと思われないトレード市場の現状に疑問を呈した。グリーンはこの状況を「ディフェンスが評価されていないということだ」と断じ、同じ功績を持つ別の選手ならオールスター級か複数のドラフト指名権が返ってくるはずだと主張した。
「この2か月のスパンで得点できる誰かを取りたい。できれば、ゴベアをトレードに出して得点源を取って、ある程度ペースについていけるやつが欲しい」
— ダニー・グリーン [84:55]
アリーナスはラメロ、カミンガ、テレンス・シャノンJr.らにとって自分を証明するチャンスだと前向きにとらえつつも、ベンチでの詰め寄りの様子を見ると「ロッカールームのシーズンとして良いスタートとは言えない」と懸念を示した。
ニコラ・ヨキッチがペリカンズ戦で21得点・13リバウンド・10アシストを記録し、キャリア通算200回目のトリプルダブルを達成した。ラッセル・ウェストブルックに次ぐ史上2人目の到達となった。ダニー・グリーンはヨキッチのプレースタイルを称賛し、ジャンプもダンクもほとんどしないのに30点12リバウンド12アシストを出す異質さに驚きを表した。
「ゲームを本当に簡単そうにこなすんだよな。ペリカンスがどんなディフェンスをしてたか見てても、ディフェンスしてないみたいに見えるくらい」
— ダニー・グリーン [105:16]
アリーナスはヨキッチの個人成績を認めたうえで、小さな市場であるデンバーにいるため優勝後にロスターが弱体化し続けていると指摘した。最初の優勝後にブルース・ブラウンが去り、ワトソンもいなくなった。「もっと大きな市場のチームにいたら、もっといい選手を次々に補強してくれるから」と述べ、複数回の優勝が可能だったはずだと主張した。
「優勝すべき時に優勝した、それはそうなんだけど、あれ以来ずっと後退し続けてるよね。連れてくる選手の面子がさ、彼の契約更新の度にマックス契約で引き止めることを最優先に考えなきゃいけないから」
— ギルバート・アリーナス [107:26]
歴代センターのランキングではカリーム、ウィルト、シャック、ハキーム、ビル・ラッセルらに次ぐ5番手あたりが現在の位置だとアリーナスは見ている。さらに上に行くにはあと1〜2回の優勝が必要で、そのためにはチームを移るか、ドラフトでヤクセルのような選手を引き当てる幸運が必要だと結論づけた。ヨキッチにはこの夏にプレイヤーオプション(6300万ドル)が控えており、ホームでのブーイング騒動も含めて去就が注目される。
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