シクサーズの29点差逆転劇、SGAが自ら記録を止めた夜、ブラウンがテイタムに「キャップ」と言い放った理由
Gil's Arena(2026年10月23日配信)でギルバート・アリーナスがNBA開幕週の注目トピックを語った。
The Ringer NBA Show(2026年10月21日配信)でラジャ・ベルが語った
チームセルティックスニックスシクサーズピストンズペイサーズバックスサンダースパーズ
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The Ringer NBA Show(2026年10月21日配信)でローガン・マードックがNBA開幕戦3試合を語った。
ラジャ・ベル、ハワード・ベックとともに、サンダー対スパーズ、シクサーズ対ニックス、セルティックス対ピストンズの3試合を振り返り、各チームの現在地と今季の展望を掘り下げた。73分にわたるエピソードは話題が多岐にわたり、ウェンバンヤマの不振、シクサーズの2ハブ体制、テイタムの受け身なプレー、ピストンズの23-0ランなど、開幕初日から読みどころが詰まった内容になっている。
サンダーはオフにルー・ドートを含むローテーション3人を放出したにもかかわらず、開幕戦でスパーズを圧倒した。ハワード・ベックはケイソン・ウォレス、AJミッチェル、ジャレッド・マケイン、ルーキーのダラと次々に名前を挙げ、補強のスムーズさを強調した。
「オフシーズンにルー・ドートを含むローテーション3人を放出したのに、以前より完成されたチームに見える。補強が本当にスムーズでシームレスなんだよ」
— ハワード・ベック [04:16]
ジェイレン・ウィリアムズ(J-Dub)の復帰も大きい。ラジャ・ベルは、昨季プレーオフでウィリアムズ不在のオフェンスが読まれすぎていたと振り返り、セカンダリークリエイターの存在がシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの負担を分散させると分析した。ウィリアムズ自身は16本中5本と不調だったが、ベルはスコアリングの数字よりもプレーメイクの価値を重視した。
「あのチームはオフェンスが読まれすぎてたんですよ。だから彼が今夜これまで見慣れてるような数字を出せなかったとしても、彼が戻ってきたことには意味があると思う」
— ラジャ・ベル [20:12]
シェイ・ギルジャス・アレクサンダーについては、ベルが「プロの中のプロとも言えるスコアラー」と評し、フットワークとピボットで相手を引き寄せてからすり抜ける動きを「芸術」と呼んだ。昨季プレーオフの雪辱を果たすように出てきたサンダーは、開幕戦で早くもその完成度の高さを見せつけた。
昨季はサンダーのガード陣がウェンバンヤマを恐れてペイントに攻め込まなかった。ローガン・マードックはその変化を指摘し、今季はニックスが昨季のプレーオフで示した「ウェンバンヤマにも攻められる」という教訓を活かして積極的にアタックしたと語った。
「去年はバスケットを見なかった場面が確かにあったよ。でも今夜は本当にサンアントニオをディフェンスのローテーションに入れようという意識的な取り組みが感じられた」
— ラジャ・ベル [09:02]
ベルはディフェンス面でも注目すべき工夫があったと述べた。序盤にストロングサイドにボディを集め、ウェンバンヤマがボールをキャッチした瞬間に2人目のディフェンダーが寄る疑似2-3ゾーンのような形を見せたという。ただし、ベルはこれを根本的なブループリントというよりも「チーム全体の集団守備が効いた一夜」と評価した。KDやレブロンを例に出し、若いスコアラーは序盤に仕掛けられるとリズムを崩すが、やがて「テストの答えを全部覚えてしまう」と、今後ウェンバンヤマが成長すれば同じ手法は通用しなくなるとも付け加えた。
ウェンバンヤマは1/13のFGと振るわなかったが、それでも6ブロック・13リバウンド(うちディフェンシブリバウンド11本)を記録した。一方でチェット・ホルムグレンがウェンバンヤマ相手にフィジカルな存在感を見せたことをベックは最大の収穫とし、プレーオフ再戦に向けてこのレベルを安定して維持できるかが今季の課題だと述べた。
シクサーズ対ニックスはリングナイトの感情的な試合だったが、バスケットボールの面でもシクサーズのオフェンスは見応えがあった。マードックはエンビードとレブロン・ジェームズが同時にコートにいると2つのハブが生まれ、VJ・エッジコムがダンカースポットからカットしてガラ空きのレイアップを決める場面が生まれたと指摘した。ベックもジェイレン・ブラウンとレブロンの連携を称え、第3クォーターにアリウープダンクからレイアップへと2連続で決めたシーンに触れた。
「あの選手たちみんながチームのために自分を少し抑えようとしているように見えた。ボールが動いて、選手が動く」
— ラジャ・ベル [28:43]
ベルはテンポを上げた場面でシクサーズが最も良く見えたと評価した。レブロンが慣れてきたペースより速く動く必要があり、リバウンドを取ってすぐ走る展開が効果的だったという。一方で、ジェイレン・ブラウンはアイソレーションで打開するタイプであり、2ハブ体制の中でも「呼吸する余裕」が必要になると指摘した。
問題はフロントラインの薄さにある。ベルはレブロンをバックアップセンターとして使わざるを得ない状況を懸念し、プレーオフを見据えてビッグマンの補強が必要だと断言した。
「イースタン・カンファレンスで脅威になれると私が思うような存在になりたいなら、何かを獲得しなきゃいけない」
— ラジャ・ベル [24:04]
スケジュールも厳しい。木曜にキャブズ、バックス、日曜にピストンズ、ペイサーズ、30日にニックスと大型チームが続く。ベルは「きつい10日間をやるなら、みんな元気な今がいい」と語りつつ、ニック・ナースとスタッフがミニッツ配分を徹底的に考えなければならないと強調した。
エンビードの身体の状態も議論になった。ベックはメディアデーで痩せた姿を見て足取りが軽くなることを期待したが、実際には「細くなっただけで、のっしのっしと動くぎこちない選手」のままだと述べた。ゴール近くでダンクではなくレイアップを選ぶシーンが目立ち、バーストやリフトが戻っていない印象だという。
「足が動いてなかったと思う。ジャンプシュートの高さが足りなかったし、リムに攻め込む脚力が見えなかった」
— ラジャ・ベル [47:41]
ベルは15本中7本がペイント外や3ポイントだったことに触れ、リムの近くであれだけ強烈な存在感を放てる選手がもっとローポストでプレッシャーをかけるべきだと主張した。ただし、膝のダメージでポストでのパンチ力自体が落ちている可能性にも言及し、断定は避けた。ベックもシクサーズが「慢性的な問題はない」と言い続けてきたことに触れつつ、「これが現在地なんじゃないか」という疑念をぬぐえないと語った。
セルティックス対ピストンズでは、ポール・ジョージが38得点を挙げ、セルティックスのデビュー戦としては球団史上最多得点を記録した。クリスタプス・ポルジンギスが持っていた記録を塗り替えた形になる。ベックはこの活躍を「励みになる材料」と評価しつつも、この年齢で同じパフォーマンスがそう何度もあるとは思えないと冷静に付け加えた。
「テイタムがあのままだとセルティクスは機能しない。単なるディストリビューターやハブとして彼を使って勝てるチームじゃない。エースとしての彼が必要なんだよ」
— ラジャ・ベル [48:42]
テイタムはフリースロー試投がわずか1本で、コンタクトを求める積極性が見られなかった。ベルはジャンパーのリフトがなくリムまで攻め切れていなかったと指摘した。配球面では機能していたものの、セルティックスはテイタムがスコアラーでなければ勝てないチームだという見解で3人は一致した。ベックはアキレス腱からの復帰の影響を完全には否定しなかったが、昨季終盤に復帰したときはここまで受け身に見えなかったと述べ、今夜は単純に調子が悪かっただけだろうと楽観的な見方を示した。
ベルは今季のセルティックスについて、イースタン・カンファレンス上位争い(ニックス、シクサーズ、ピストンズ、キャブズ、ペイサーズ)の中では「トップティアの最下位か、セカンドティアの最上位あたり」と評価し、カンファレンス制覇を争う位置にはいないと明言した。
ピストンズは第4クォーターに23-0のランでセルティックスを逆転した。ベルはその要因として後半にディフェンスのプレッシャーと強度を一気に上げたことを挙げ、「ボールへのプレッシャーのかけ方は最近見た中で一番だった」と評した。全員がスクリーンに辿り着く前の段階から相手にプレッシャーをかけ、一インチも譲らない姿勢を見せたという。
「ただ後半に3ポイントを決めたってことは違ったけどね。ダンカンがシュート決めてさ」
— ラジャ・ベル [58:51]
マードックはこの試合のピストンズについて「結局去年と同じチームに見えた」と疑問を呈したが、ベルはシューターが決めたことでディフェンスの圧力が得点に直結した点を強調した。ダンカン・ロビンソンやジャヴァンテ・グリーンが爆発し、アイザイア・ジョーも好プレーを見せた。ベルはケイド・カニンガムの隣にもう一人クリエイターがいればオフェンスのダイナミクスがまったく変わると述べ、第1セグメントで語ったJ-Dubのような存在の必要性を繰り返した。
ジェイレン・デュレンは22得点9リバウンドでプレーオフの不振と契約交渉の難航を払拭する好デビューを飾った。ベックはケイド・カニンガムとのピック&ロールが依然としてチームの柱であり、レギュラーシーズンで大量に勝てる構造だと述べた。ただし、タンキングするチームがなくなった今季は勝ち星が減る可能性にも触れ、プレーオフでの深い勝ち上がりは別問題だとも付け加えた。
マードックはオーサー・トンプソンのオフェンス面に失望を示した。ディフェンスでは圧倒的な存在感を見せた一方で、スリーポイントを打つ意識すらなく、スペーシングを殺しているという。ベルはVJ・エッジコムがダンカースポットからスリーも打てる例を引き合いに出し、同じポジションにいてもシュートを打つかどうかでチーム全体のスペーシングがまったく変わると説明した。
「単純化しすぎかもしれないけど、言わせてよ。20分観てたら、3ポイントを打つ気すらないかどうかわかるんだよ」
— ラジャ・ベル [65:00]
ベルはウィーク側のスペーシングが死ぬことでケイド・カニンガムの動きが制限される構造を詳しく解説した。相手がトンプソンのスリーを捨てることでショートコーナーまで絞り込み、スウィング・スウィングのパスレーンすら塞いでしまうという。シューターにならないなら「止まっているな」と断言し、常にカッティングで相手を罰するしかないと提言した。トンプソン自身のリムまわりの動きは悪くないが、シリーズでゲームプランを立てられたときには苦しくなるとベルは見ている。
開幕3試合を通じて、サンダーの完成度の高さ、シクサーズのオフェンスの可能性とフロントラインの課題、セルティックスのテイタム依存の危うさ、ピストンズのディフェンス強度とオフェンスの限界がそれぞれ浮き彫りになった。シーズンはまだ始まったばかりだが、今季のイースタン・カンファレンスの勢力図を占ううえで示唆に富んだ一夜だった。
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